メニューを考える

お客様の声から生まれたクレープメニュー

「みかんチョコ」

わたしはこの組み合わせは好きじゃないです。

みかんとチョコの間には、心地よくない距離があって合わないと思うからです。

でも、お客様がいいというなら作ればいいのでは?

と思い、定番メニューにしました。

当たり前のことだけど、売れるものを売るのが商売の鉄則。

 

 

逆にこだわりがあっても、売りにくいものはやめた方がいい。

 

 

関東を中心に展開しているフランス洋菓子店OGGI。

ここの「ショコラデショコラ」が好きで、

ラズベリーやオレンジがとても美味しかった。

そのイメージでつくったメニューがこれ。

 

 

 

美味しい

と気に入って下さったお客様もいたけど、

バンバン売れるものじゃない。

だからやめました。

 

 

定番メニューは年間を通して入手できる食材を使い、万人受けするもの。

季節メニューはその名の通り旬のフルーツや野菜を使い、メニューに変化を与えます。

そして、イベントメニューは趣旨にあわせて考えます。

大変だけど、楽しみながら作っていました。

 

 

例えば、高取町のイベントに出店した時のことです。

高取町は薬の町。

漢方薬の材料、大和当帰を使ったメニューを考えてほしいと主催者に言われました。

大和当帰とは、セリ科の植物でセロリに似た香りがします。

これをドライにして細かく砕き、おかずクレープにパラパラとふりかければ

一応メニューに取り入れたことになります。

 

 

でもそれだとつまらない。

失敗なく簡単に作れて、万人受けするもの…

考えた末、鶏肉を塩麴と大和当帰の葉でくるみ、低温で蒸しました。

味付けは塩麴がしてくれるし、

大和当帰の香りが柔らかく移って、食べやすくなります。

お客様に好評で、すぐ完売しました。

 

 

 

 

ちょっと敷居が高いイベントに出店したことがあります。

活動の幅を広げるチャンスだと思い、チャレンジしました。

大阪市が主催する社会的意義のあるイベントです。

SDGsがテーマで、

クレープとどう繋げればいいのか悩みました。

 

 

正直なところ、クレープは環境にいい食べ物とは思えません。

例えば、牛乳や卵、果物、野菜など、輸送のためには燃料が必要。

すべての食材を地産地消できればいいけれど、残念ながら無理です。

 

 

そして、牛を育てるためには大量の水が必要です。

牛の飲み水や、

牛の餌となる穀物を育てるための水など、環境に負荷をかけています。

興味のある方は、

「バーチャルウォーター」で検索して調べてみてください。

 

 

世界で栽培されている穀物のうち、たったの4割強が食用で、

残りが飼料やバイオマス燃料に使われています。

 

飢餓の原因は、貧困や災害、紛争、フードロスによるものとされていますが、

食用に回す穀物を増やせば、飢餓を減らせるという考えもあります。

 

クレープという食べ物を通して見えてくる環境問題。

考えだしたら際限なく広がっていくので、この辺にしておきます(笑)

 

 

切り口は持続可能な農業。

農産物の付加価値を高めて生産者の経済の向上を図ること。

 

本当は環境に負荷を与えない栽培方法…

無肥料、無農薬の自然栽培が理想的だけど、現状では難しい。

だから生産者の立場を守ることが、

持続可能な農業に繋がると捉えることにしました。

事実、そうですし。

 

 

「完熟梅とリンゴのクレープ」

日本人に馴染みの深い梅。

だけど、梅干し以外の食べ方を知らない人ってけっこう多い。

木で完熟した梅はとてもいい香りで、

ジャムにすると杏ジャムのようです。

 

 

梅ジャムのクレープだけだと食べたい人は少ないと思うので、

果物とあわせることにしました。

レモンとは違う個性的な酸味と調和し、人気のある果物は何か?

いくら考えてもわからなかったので、

梅と同じバラ科の果物の中から、消去法でリンゴが残りました。

 

実際にあわせてみたらとてもマッチして、

イベントでも評判良かったです。

 

 

長々と書いちゃいましたが、

メニューを考えるうえで参考にしていただけたら幸いです。

 

 

 

 

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