卵アレルギーについて
ならコープさんに営業に行った時の話。
雑談の中、卵アレルギーの話になり、
卵を使わないクレープをやってみたいことを伝えました。
開業したばかりの頃、
「卵をつかっていますか?」
とお客様に聞かれることが多く、心苦しい思いをしていたからです。
「ナチュラルカフェ イヴェール」
という、長ったらしい店名のせいでしょうか?
(しばらくした後、周知することなく「イヴェール」に勝手にかえた)
実際に卵を使わない生地を作ろうと、
いろいろ試してみましたが失敗の連続(笑)
卵を使っていないため、色が白くてまずそうだし食感も悪い。
何よりも、トンボや鉄板に生地がくっついてはがれないのです。
卵って本当にすごい食べ物だな…と思い知りました。
卵黄には水と油を混ざり合わせる乳化性、
卵白には生地をふっくらさせる起泡性、生地を等しくする均一性、その状態を保つ安定性、があります。
それらの性質をもつ卵のかわりとなる食べ物…
といったら、大豆しかないだろうと考え、調べました。
大豆は植物の種、卵は動物の種。
同じ「種」同士、共通する性質が多くあるのではないか?
卵黄や大豆には油分が多く含まれているし、
あと、大豆をゆでたときの煮汁が泡立つのを見て、
卵白に似ているな…と思っていました。
残念ながら、今はリニューアルオープンの準備中で購入できませんが、
不二製油(株)さんのUSS豆乳製品 https://soyafarm.com/ をお勧めします。(他サイトでは販売中)
わたしは
濃久里夢(コクリーム)…大豆からうまれたクリーム素材→卵黄の代用品として
美味投入(ビミトウニュウ)…大豆の旨味が強い豆乳→卵白の代用品として
の2種類を購入して、生地を作りました。
そこに全粒粉を加えて、色と風味をプラス。
素朴で香ばしい生地ができました。
だけど、これを販売するのはかなり厳しい。
原価5割を超えちゃっているからね(笑)
でも月に一度、お客様の反応をみるために販売してみたいと思い、担当者に提案してみました。
しかし、
「中途半端なことはやめてほしい。卵を使わない生地専用の道具を、新しく揃えることはできますか?今まで使った道具を洗っただけではだめですよ。完全にわけてください。」
と、言われてしまいました。
…確かに、おっしゃる通りです。
自分の認識の甘さを痛感し、とりあえず諦めました。
あれから何年も経つのですが、忘れられない出来事があります。
出店先に黒塗りの車が横付けし、中から一人の女性が降りてきました。
彼女は3人のお嬢さんを持つお母さん。
家族5人で買い物に行き、
その帰りにわたしの車を見かけ、立ち寄ってくれました。
生地に卵を使っていることを伝えたら、
4個だけ購入して早速車内で食べ始めたのですが、
1人だけ食べていない女の子が…
その子とバッチリ目が合い、思わず目をそらしてしまいました。
あれが日常茶飯事なのでしょうか?
きついな…と思いました。
食事の度に、自分だけ違うことを思い知らされているのです。
もし、その子と話す機会があれば伝えたい。
アレルギーがあるということは、健全化作用が働いているということ。
食べてはいけないものを体が教えてくれている。
マイナスではなく、むしろプラス。
卵を使わないお菓子や料理に興味をもたせ、
そちらの道に誘導するのもいいかもしれない(笑)